人はこうして肉体の生活を地上で営んでおります。けれど真実は幽界にも霊界にもまた神界にも同時に住んでいるものであります。 ということがわかりますと自ずと日常生活の内容が違って来るものです。 五井先生は嫌なもの、暗い思いはすべて 過去世よりの間違った想念が現われては消え去ろうとしている姿なのだから、苦しみを消えゆく姿と観じて、高い広い人類愛のひびきの世界平和の祈りの中に投げ入れ、神霊界で働いている本心の自分と一ッになることが必要だ、その統一行が第一と教えられてこられました。そこで世界平和の祈りを行じてこられた同志たちの、霊界での様子を知ることができるならば、どれだけ多くの人たちの救いとなり、また勇気づけになることかと思いまして、守護の神霊方に導かれながらペンをとりました次第です。
そして人間の個性は永遠に存続すると教えられております。この霊界通信の中でも、同志の霊界での活動の中にもその人の個性がそのまま現われてゆくことが如実に物語られていきます。初めに島田ゆうさん、木口武之亮さん、そして今回は柳生六郎さんと山崎卓蔵さんの二人の方の霊界でのあり方が伝えられてゆきますが、皆それぞれの個性を持ちながら、霊界での修行場で一生懸命精進しておられることがおわかりになられるものと思います。
この霊界通信は、人は死後に霊界で修行するのでなくて、現在ある心の状態がそのまま霊界に直結しているものであるということを教えてくれます。この教訓を少しでも感じ取っていただけますならばその人の日常生活が大変に違ってくるものと思われます。
五慾煩悩の波の高いこの現世で、高い人類愛のひびきを持つ世界平和の祈りを繰返してゆくうちに、真実の自分、本心と一ッに溶け込んでゆくことが、現世でも霊界でも大きな救われとなってゆきます。魂の昇華から昇華へと精進してゆくうちにその人の持つ個性、個我が大きく修正されて、個と天命が一ッに輝いて大きな働きとなって進展してゆく姿が観じられます。
そうしたことのために今置かれております、きわめて平凡な環境の中で、老若男女の差別なく誰もができる世界平和のお祈りを一人でも多くの人がして下さるようお願いして止みません。
著者
昭和四十七年五月
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